男子難関校の芝中学の算数分析記事です。今回の過去問分析対象は「2019年第1回入試」となります。芝中学算数の傾向と対策方法を知り、合格に向けて是非ご活用ください。
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過去問を解いた後の復習に活用しましょう!
各問題の難易度と自分の〇×を見比べながら、解けた問題は自信に変え、解けなかった問題は徹底復習してください!合格との距離をイメージし、今後どんな勉強をしていけばいいのかを考え、実行しよう★
芝中学 2019年入試結果
配点・試験時間
- 国語 100点(50分)
- 算数 100点(50分)
- 社会 75点(40分)
- 理科 75点(40分)
合格者平均点・受験者平均点
- 受験者平均点-53.8点
- 合格者平均点-68.0点
受験者数・合格者数
- 募集者数-150人
- 応募者数-554人
- 受験者数-500人
- 合格者数-189人
実質倍率
- 倍率:2.6倍
問題別難易度分析
【難易度説明】
A:芝中学合格のために正答したい問題
B:合否を分ける差がつく問題
C:発展問題(間違えても差がつかない)
問題別攻略のポイント
大問1 計算問題
問題数:2
難易度:A,A
(1) 四則演算
標準的な計算問題です。2.4や0.7など小数を一発で分数に変換出来ていたか確認しておきましょう。
(2) 還元算
こちらも標準的な計算問題です。+-×÷や()など計算ルールに則り、ていねいに計算を進めていきましょう。
大問2 過不足算
問題数:1
難易度:A
標準レベルの過不足算です。今回の問題は男の子の人数がはじめから分かっているので、素直に使って解きましょう。解説記事がありますので、詳細はそちらをご覧ください。
大問3 周期算
問題数:2
難易度:A,A
こちらもよく見る問題でしょう。59÷1111を筆算することで、0.05310531…と「0531」の周期が続いていきます。誤って「531」にしないように気を付けましょう。
あまりが59になるのはいつか?に着目しながら計算を進めてください。
「0531」の周期を使うのみです。2019÷4=504…3となるため、504回周期が続き、505回目の周期の3つ目である「3」が答えとなります。
小数第2019位と数が大きいですが、ただの周期算ですので当てはめてあげましょう。
大問4 数の性質
問題数:2
難易度:B,B
和差算に数の性質(偶数・奇数の和)が加わった問題です。
偶数+偶数=偶数、偶数+奇数=奇数になることを考え、偶数3つを大きい方からA,B,C、奇数1つをDとして、式を作ってあげましょう。(例 A+B=64,A+C=54など)
(1)で式を作れば、あとは(1)の解答を式に当てはめていくだけですね。
大問5 平面図形(角度)
問題数:1
難易度:A
図形の折り返しです。折り返しは相似・合同に着目しましょう。また、問題文の条件に平行線であることが記載されています。平行線+角度の問題のときは、錯角や同位角を見つけるという視点も持っておくとよいでしょう。
大問6 平面図形(面積)
問題数:2
難易度:A,B
(1)はよくある正六角形の面積の問題です。正六角形の面積から三角形ABCのまわりにある四角形3つの面積を除いてもいいですし、正六角形を小さな正三角形に分割して求めてもよいでしょう。
三角形ABCより白い小さな三角形3つの面積を引いて、斜線部の面積を求めよう。
正六角形の1辺の長さを1としたとき、白い小さな三角形の辺はいくつとなるのかを出してから、白い小さな三角形の面積比を考えよう。
難易度B。2019年度入試の中では難易度の高い問題でしょう。
大問7 食塩水
問題数:1
難易度:A
等しい量ずつ入れ替えるので、容器Aと容器Bの食塩水の重さは入れ替える前と変わらず800g、600gとなる。また、容器Aと容器Bの食塩水の濃度も9:8と分かっている。
食塩水の実際の重さと濃度の比が分かっていれば、何を出せるのかを考えて、解き進めよう。
大問8 規則性(数表)
問題数:1
難易度:A,B
数表問題だが、実質は数列の問題。3列目、かつ裏が白色のカードであるという2つのルールを考える必要がある。7列なので1行ごとに数は7ずつ増えていき、色は赤,青,黄,白なので4つ周期。よって、最小公倍数の28進むごとに条件に当てはまると考えて、解き進めよう。
裏が同じ色のカードが1行に2枚あるか否かを考えると、4列目が必ず「裏が同じカードが1行に1枚しかない列」となる。1~200までの数の和を出してから、4列目の数を引いてもいいし、4列目以外の和を行ごとに考え、等差数列を作り、答えを出してもよい。
ただし、200÷7=28…4より、最終の29行目は197,198,199,200の4つの数しかいないので注意しよう。(=29行目は裏が同じ色のカードはいない)
大問9 水そうグラフ
問題数:2
難易度:B,B
2019年度入試の立体図形は水そうグラフの問題でした。水そうグラフは正面から見た図を描き、ブロックに分けて体積を入れていきましょう。
また、今回の問題は水を入れるスピードや排水するスピードが分かっている(毎分2.4リットル、毎分1.2リットル)ので、実際の数を使いたくなりますが、容器関連の数は一切出ていませんので、注水・排水ともに実際の数ではなく、比を用いて解きましょう。
また、半径の比をそのまま面積比にしないように気を付けましょう。
正面から見た図を描き、Cが出せたならDは容易でしょう。
Kの考察
2019年度入試は問題の傾向や形式に大きな変化はありませんでした。
計算問題より始まり、塾の演習で何度か見たことあるであろう典型題が数問出題され、最後の方にやや難易度の高い問題が配置されるという問題構成になっています。
50分で小問数15。各問題の難易度分析では必ず正答したいA問題が9問(60%)、差がつくB問題が6問(40%)となりました。
合格者平均点は68点でしたので、合格者平均点を目指すには、計算問題及び典型題をしっかりと正答して点数を稼ぎ、難易度が高そうな大問は(1)だけは必ず正答することを基本方針としていいでしょう。算数が得意な子はB問題も全て正答を狙うつもりで臨みましょう。
また、計算問題、典型題などのA問題は正答するだけではなくスピードも意識し、後半の問題に時間を残すことが合格に近づく道でもあります。
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