割合と比|消費税問題(灘中学 2020年)

過去問解説-灘中学_2020年2_割合と比

次の問題の□にあてはまる数を答えなさい。

太郎君は1000円を持ちコンビニへ商品Aを買いに行きました。コンビニの店内には飲食可能な場所があります。太郎君ははじめ、Aを5個買って店内で食べようと思っていましたが、店員に「持ち帰るなら消費税は8%だけど、店内で食べるなら消費税は10%だから4個しか買えないよ」と言われました。そこで、太郎君は4個だけ店内で食べ、1個を持ち帰ることにして、全部で5個買うことができました。Aの消費税抜きの値段は1個につき□円です。ただし、この値段には、1円未満の端数はありません。また、消費税は、持ち帰る商品の合計金額の8%と、店内で食べる商品の合計金額の10%の合計から、1円未満を切り捨てた金額とします。

灘中学(2020年)

灘中学の2020年入試で出題された消費増税関連の問題です。2019年10月1日に消費税及び地方消費税の税率が8%から10%に引き上げられ、2020年度の中学入試では消費増税は時事問題の1つでした。
関西の雄・灘中学でも1日目の算数にて消費増税関連の問題が出題されました。コンビニでの買い物といった小学生にも身近な題材で、軽減税率を上手に絡めていますね。

本問題の難度

問題の難易度
易しい
Lv.1
Lv.2
Lv.3
Lv.4
Lv.5
難しい

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解説

消費税問題は、まず端数(1円未満の金額)の取り扱いを確認しましょう。消費税問題では、商品1個あたりの税抜金額に税率を掛けて1円未満は切り捨てるという問題がよく出題されていますが、今回は合計金額に税率を掛けたものを足してから1円未満を切り捨てるとなっています。

プロ家庭教師K

商品Aの消費税抜きの金額を〇円として、問題文通りに式を立ててみましょう。

店内で4個食べ、1個持ち帰る場合

店内で4個食べ、1個持ち帰る場合は支払金額は1000円で足りたという状況を式にします。

〇×4×1.1+〇×1×1.08<1001
※合計金額を1円未満切り捨てるので、合計金額は1000円までではなく、1000.9999…円までは1000円で購入可能です。1000円以内(<1000)にしないように気を付けましょう。

計算できる部分を整理してあげると、
〇×5.48<1001
〇<1001÷5.48 (1001÷5.48=182.6…)
〇<182.6…

となるので、商品Aの税抜金額が182円以下の時、1000円で商品Aを5個(店内4個、持ち帰り1個)購入できることとなります。

店内で5個食べる場合

プロ家庭教師K

まだ金額の上限しか分かっていないので、ほっと一息つく前に下限も出しましょう。「店内で5個食べるには1000円では足りないよ」と店員に言われているので、こちらも確認します

店内で5個食べる(消費税は10%)だと支払金額が1000円を超えてしまうという状況を式にします。

〇×5×1.1 ≧ 1001円
〇 ≧ 1001÷5.5 (1001÷5.5=182ピッタリ)
〇 ≧ 182

商品Aの税抜金額が182円以上の場合、店内で5個食べるときの合計金額は1001円以上となって、1000円では足りないということになります。

「店内で4個食べ、1個持ち帰り」の条件から商品Aの税抜金額は182円以下、「店内で5個食べる」の条件から商品Aの税抜金額が182円以上であることが分かりました。この2つをどちらも充たすのは182円のみですので、答えは182円になります。

A.182円

プロ家庭教師K

1つずつ場合分けするのではなく、〇×4×1.1+〇×1×1.08 < 1001 ≦ 〇×5×1.1のように最初から式をまとめてしまってもOKですね。

Kとピヨまるの談話室

ピヨまる

消費増税に関する時事問題とありますが、消費増税がない年だったらこの問題はやらなくていいですかねなんか問題設定も面倒臭そうだし・・(ボソッ)

プロ家庭教師K

やるか、やらないかだとやった方がいいよ。消費税って結局8%とか10%の割合の分野だからね。
また、難関校と呼ばれる学校では今回の問題のように塾の通常テキストには載っていない問題が出ることが多い。いわゆる入試で初めて見る問題だ。初見の問題は、まずは文章の内容理解。そして、その上で算数的に考え、数値や式に落とし込む必要があるので、その練習にもなると思うよ。

プロ家庭教師K

ちなみに、消費税問題は特徴的な問題なので、事前に見ておくと正答率が変わります。消費増税や減税があった受験年度の6年生は入試直前期(1月)に1度戻ってきて、確認しておきましょう。

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