前回に引き続いて「偏差値の見方」について確認していきます。中学受験生を持つ親御さんは偏差値や平均点など各種データの意味を正しく捉え、冷静に取り扱いましょう。
では、本日のラインナップをド――ン!
前回のまとめ・偏差値とは?
まずは前回の復習!
偏差値・平均点・標準偏差の3つを簡単に学びましたね。
・全体の中でどの位置にいるかを知る数値
・平均点は偏差値50
・受験者全員の点数を足して、受験者の人数で割って得られた点数
・点数のばらつきを表す数値
・標準偏差が大きいと、点数のばらつきが大きい
・標準偏差分の点数を取ると偏差値10アップ
偏差値70は上位何%?
ねぇお母さん。まだ質問に答えてもらってないんだけど!!
偏差値が全体の中でどの位の位置なのかを表す数値というのは分かったけど、このあいだ私に「偏差値70取ったぜ!」とクラスで騒いでいた男子は結局スゴイの?上から何番目位なの?
ギクーーーッ?!
無事、やり過ごせたと思っていたのにこの子は変なところ鋭いんだから・・。うーむ、偏差値70が凄そうなのは分かるけど、上からどの位なんだろう・・。教えて、誰かぁぁぁぁ!!!!
説明しよう!
サクッと見てしまいましょうか!後述の注意点通り参考程度になりますが、全受験者の得点が以下のような正規分布になっている時、偏差値と順位については以下の表のようになります。
偏差値60は表左側の下から6つ目を見てください。偏差値60は上から約16%になります。今度は表の右側の偏差値70を見てみましょう。偏差値70は上から約2.3%であることが分かります。
反対に、偏差値40は下から約16%、偏差値30は下から約2.3%であり、偏差値40~60の範囲には、約68%が集まっています。
また、偏差値は母集団(テストを受けている集団)のレベルによっても変動します。全国の小学生の中での位置ではなく、通っている塾の中での位置であることも頭に入れておきましょう。
【注意点】
繰り返しになりますが、上記の%は、得点が正規分布だった時の話です。各模試の得点分布によって変動しますので、参考程度にとどめておきましょう!
得点・平均点が同じなら偏差値も同じ?
どうもー♪噂の偏差値70ボーイこと僕が参上しました、エッヘン。
えっ?次回のテストの目標偏差値ですか?そうですね~。次のテストも平均点は同じくらいでしょうから、次回も同じ得点を取って、サクッと偏差値70を取っちゃいます!
ポンポンポーーン♪
ちょいちょいちょーーい!
次回のテストの平均点が同じになるかは知らんけど標準偏差を忘れてるぞ。得点と平均点が同じであっても、偏差値が同じになるとは限らんぞ!ちょっと下の例を見てみよう。
クラスの生徒24人がテストAとテストBを受け、1回目と2回目のテストの結果は以下の通りだった。
・テストAもテストBもクラスの平均点は50点
・学級委員の田中君の得点は70点
ばらつきが小さいテストA
ばらつきが大きいテストB
以上のように、テストAもテストとBもクラスの平均点は50点、田中君の得点は70点でしたが、田中君はテストAでは偏差値が73.1、テストBでは偏差値が62.2になっています。このように、たとえ得点、平均点が同じであっても、全体の得点分布によって偏差値は異なります。
なぜ異なるかというと、3つ目の要素である標準偏差が異なるから。
標準偏差は得点のばらつきの大きさを示す数値でした。標準偏差が大きいと得点のばらつきが大きく、小さいとばらつきは小さい。テストAでは平均点の50点の近辺に点数が集中しているため、テストBよりも得点のばらつきが小さく、標準偏差も上記のように小さくなっています。
偏差値の求め方
偏差値の求め方は、上の式のように標準偏差が分母で、得点-平均点が分子になっています。つまり、得点と平均点が同じであっても、標準偏差(得点のばらつき)次第で、偏差値は変わってくることとなります。また、平均点が高いと自分が高得点を取っても、得点-平均点の値が大きくなりづらいので、70以上の高偏差値を取りづらいテストとも言えます。
まぁ、平均点や標準偏差がどうであれ、自分の得点を上げることが偏差値アップにつながることは明白である。自分の力を発揮し、次のテストも頑張って!
おっけーい、あざすぅぅ♪
軽っ!!!笑