次の問いの□をうめなさい。
カズオ君は学園祭でアイスクリーム屋をやることになりました。味はチョコ,バニラ,イチゴの3種類です。スプーンですくって最大4つのアイスクリームを縦に重ね,”芝アイス”として売ることにしました。同じ味が複数あってもよいこととし,さらに重ねる順番をお客さんは選ぶことができます。また,重ねる順番が異なる場合は異なるものとして考えます。
(1)芝アイスは全部で□通りあります。
(2)味が3種類の芝アイスは全部で□通りあります。
(3)味が2種類の芝アイスは全部で□通りあります。例 アイスクリームを2つ重ねて作った場合の”芝アイス”
芝中学(2017年)
男子難関校の芝中学より場合の数の問題です。学園祭で売られているアイスクリームの問題でその名も”芝アイス”。本当に芝中学の文化祭で売ってそうですね。どうなんでしょう?
過去問解説記事の使い方は以下をご参照ください。
難度
Lv.3 中学受験 難関校標準問題
中学受験 難関校の標準問題。難関校合格のために必要な標準問題を確実に正答する力をつけたい受験生や、合否を分ける問題を1問でも多く正答できるように得点力をアップさせたい中堅校志望の受験生にオススメ。
※偏差値の目安やその他難度の詳細などはコチラをご覧ください。
解説
(1)芝アイスは全部で何通りか?
まずは、基本ルールを確認しておきましょう。
今回の基本ルールは以下の4つとなります。このルールに矛盾していないか常に気を付けて解き進めていってください。
- アイスは最大4つ重ねることができる
- アイスの味は3種類
- 同じ味のアイスが複数あってもよい
- 重ねる順番が異なる場合は異なる芝アイス
(1)は芝アイスが全部で何通りか?
この問題はアイスを重ねる個数やアイスの味に制限はありません。つまり、アイスは最大4つ重ねることができますし、1つでも2つでも、3つ、4つでもOKであることが分かりますね。
アイスが1個、2個、3個、4個の場合でそれぞれ考えていきます。
味のないアイスにそれぞれ味をつけていくイメージですので、考え方としては色ぬり問題と同じで良いでしょう。ただ、今回の芝アイスは、一般的な色ぬり問題と異なり、となり合う味(色)が同じでもOKですので、その点は注意してください。
1個のとき:3通り
2個のとき:3×3=9通り
3個のとき:3×3×3=27通り
4個のとき:3×3×3×3=81通り
よって、3+9+27+81=120通りです。
となり合う味が同じでもOK、同じ味のアイスが何個あってもOKなので、チョコ、バニラ、イチゴのどのアイスを重ねてもOKですね。よって、3を掛けていくだけ!
(2)味が3種類の芝アイスは何通りか?
味が3種類の芝アイスですので、3つ重ねたアイスか、4つ重ねたアイスを考えます。(1つ、2つのアイスでは味を3種類入れることは不可能ですよね。)
3つ重ねたアイスのとき
3つ重ねたアイス、かつ味が3種類なので、重ねた3つのアイスそれぞれが異なる味である必要があります。(1)と違い、今回はとなり合う味が同じであってはならないということですね。
よって、3×2×1=6通り
4つ重ねたアイスのとき
4つ重ねたアイス、かつ味が3種類なので、重ねた4つのアイスのうち、2つが同じ味、あと2つは別々の味でなくてはなりません。4つのアイスの中で、同じ味のアイス2つがどれかを決めれば、残り2つは別々の味と確定しますので、まずは同じ味のアイス2つの場所を考えます。
コーンは問題と関係ないのでそろそろ省きますか。(決して描くのが面倒くさいからじゃないぞ・・)
考え方は「4つの中から同時に2つを選ぶ」と同じですので、(4×3)÷(2×1)=6より、「アイス2つが同じ味で、残りのアイスは別々の味であるパターン」は6パターンあることが分かります。(上画像参考)
また、6パターンいずれにおいても、味は3種類ですので、味の決め方は3×2×1の6通りあります。
よって、アイスを4つ重ね、味が3種類の芝アイスは6×6=36通りとなります。
味が3種類の芝アイスは6+36=42通り。
(3)味が2種類の芝アイスは何通りか?
ラストは2種類の芝アイス。さて、(1)では味が1、2、3種類すべての芝アイスを求め、(2)では味が3種類の芝アイスを求めましたね。まだ求めていない芝アイスは「味が2種類の芝アイス」と「味が1種類の芝アイス」です。どちらの芝アイスが通り数を出しやすいでしょうか?
当然、味が1種類の芝アイスの方が楽です!
そうだね。
今回は味が2種類の芝アイスを直接出すのではなく、芝アイスの全体の通り数から味が1種類と味が3種類の芝アイスの通り数を引いて、味が2種類の芝アイスの通り数を求めてみましょう。
味が1種類のときは、重ねたアイスが何個でも味は1種類なので、チョコ、バニラ、イチゴの3通りとなります。よって、4×3=12通りとなります。
全体の通り数は(1)の答えより、120通り。
味が1種類のときは12通り、3種類のときは42通りですので、味が2種類の芝アイスは120-(12+42)=66通りとなります。
Kとピヨまるの談話室
(3)では味が2種類の芝アイスの通り数をそのまま出そうとして、時間が掛かってしまいました…。
そのまま出すのも1つの解法なので、それはそれでOK!
ただ、場合の数では、今回のように聞かれている通り数をそのまま出すのではなく、全体の通り数からそれ以外の通り数を引いて求める方が楽な問題も多々あるね。いま解いている問題がどっちなのか判断する視点を忘れないようにしましょう!
OKです!
うぅぅ…そんなことより芝アイス食べてえぇぇぇぇぇぇ!
・・・おい。
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