数の性質(フェリス女学院中学 2020年)

過去問解説-フェリス女学院中学_2020年1-3_数の性質

1からAまでのすべての整数を1回ずつかけ合わせた数を《A》と表します。
例えば,《3》=1×2×3=6です。
次のB,Cには,あてはまる整数はいろいろ考えられますが,Bにあてはまる整数のうち,最も小さいものを答えなさい。

《2》×《3》×《4》×・・・×《10》×B=C×C×C

フェリス女学院中学(2020年)

神奈川女子御三家のフェリス女学院中学より「数の性質」の問題です。パッと解法が分からなくても、くらいつきましょう
過去問解説記事の使い方は以下をご参照ください。

難度

問題の難易度
易しい
Lv.1
Lv.2
Lv.3
Lv.4
Lv.5
難しい

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解説

約束記号の解き方

今回の問題は《整数》=A×B×…という形になっていますね。
このように、一定のルールが決められた記号約束記号と呼ばれています。

プロ家庭教師K

「この記号を用いた時は、このようなルールで処理をしますよ~。」という約束事があるから、約束記号。そのまんまですね。
なお、問題によって、記号やルールは異なります。

約束記号は問題文に必ず約束(ルール)が書かれているので、問題文に書かれた具体例を見ながら、どういった約束なのかをていねいに読み解くようにしてください。
この読み解きを間違えてしまうと、その後の設問も全て間違えるという惨な事態になります。0点確定になるので、マジで気を付けましょう

さて、今回の問題は、《A》の場合は、1×2×3×……×Aというように、《A》=1からAまでのすべての整数を1回ずつ掛け合わせた数となります。《》の中にAを入れたら、こうやって計算してね。これが約束です。

つまり、《2》~《10》は以下のようになります。
《2》=1×2
《3》=1×2×3
《4》=1×2×3×4
《5》=1×2×3×4×5
《6》=1×2×3×4×5×6
《7》=1×2×3×4×5×6×7
《8》=1×2×3×4×5×6×7×8
《9》=1×2×3×4×5×6×7×8×9
《10》=1×2×3×4×5×6×7×8×9×10

プロ家庭教師K

今は解説記事だから書いているだけで、自分で解く時は《10》=1×2×3×4×5×6×7×8×9×10まで書く必要はない。
問題文の例:《3》=1×2×3を見た上で、《10》は1から10まで掛けるという約束なんだなと理解してから、前に進もう。

C×C×Cから分かる事

《整数》をどう計算していくのかのルールは読み解けたので、今度は《2》×《3》×《4》×・・・×《10》×B=C×C×Cのうち、=の右側のC×C×Cを見てみましょう。

Cにも何らかの整数が入るので、例えばCが6であれば、C×C×Cは6×6×6=216。素因数分解をすると216=2×2×2×3×3×3となり、素因数の2は3個、3は3個となっています。

Cは3つなので、それぞれの素因数の個数は必ず3の倍数となることが分かりますね。ここから攻めていきましょう。(分からない場合は、6以外の整数も入れて試してみよう。)

《2》~《10》の素因数分解

左の式の《2》×《3》×《4》×・・・×《10》×Bは、C×C×Cと等しいので、素因数分解してから、素因数をまとめてあげると個数は必ず3の倍数になります。

《2》=1×2
《3》=1×2×3
《4》=1×2×3×4
《5》=1×2×3×4×5
《6》=1×2×3×4×5×6
《7》=1×2×3×4×5×6×7
《8》=1×2×3×4×5×6×7×8
《9》=1×2×3×4×5×6×7×8×9
《10》=1×2×3×4×5×6×7×8×9×10 なので、

上記それぞれの個数を縦に数えていくと、
×2は9個
×3は8個
×4は7個→×2は14個
×5は6個
×6は5個→×2は5個、×3は5個
×7は4個
×8は3個→×2は9個
×9は2個→×3は4個
×10は1個→×2は1個、×5は1個

以上をまとめてあげると、×2は38個、×3は17個、×5は7個、×7は4個です。素因数の個数は必ず3の倍数になるので、それぞれの個数を3の倍数にするためには×2を1個、×3を1個、×5を2個、×7を2個加える必要があり、それが整数Bとなります。
よって、Bにあてはまる整数のうち最も小さい整数は、2×3×5×5×7×7=7350になります。

7350

Kとピヨまるの談話室

ピヨまる

どうも。基礎トレをため込まずに毎朝必ずやると親と約束しましたが、サボっているピヨまるです。
そっちの約束は破っていますが、約束記号は結構得意なんですよね。だって、ルールが問題文の中に書いてあるのだから簡単ですよ。

プロ家庭教師K

基礎トレは毎日やれ。

約束記号に関してはその通りだね。大問で出題される場合でも、(1)では「君、ちゃんとルール分かっているよね」というような、ルール通り当てはめれば正答できる問題が多い。当てはめれば出来るのだから、その場合は必ず正答して点を稼ごう
また、文章がやたら長い場合も、その分ルールが詳しく書いてくれているはずとテンションを上げて読み進めましょう。

ピヨまる

親に、第2回基礎トレ毎日やります宣言してきます

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