女子御三家の女子学院中学の算数分析記事です。今回の過去問分析対象は「2021年入試」になります。女子学院中学の「算数の傾向と対策」を知り、合格に向けて是非ご活用ください。
【受験生のパパママ】
受験する学校の情報集めや算数分析の一助に!
志望校の傾向を把握すると共に、お子さんの得意分野・苦手分野の洗い出しなど学習サポートにもご活用ください★
【受験生本人】
過去問を解いた後の復習に活用しましょう!
各問題の難易度と自分の〇×を見比べながら、解けた問題は自信に変え、解けなかった問題は徹底復習してください!合格との距離をイメージし、今後どんな勉強をしていけばいいのかを考え、実行しよう★
女子学院中学 2021年入試結果
配点・試験時間
- 国語 100点(40分)
- 算数 100点(40分)
- 社会 100点(40分)
- 理科 100点(40分)
グループ面接/小学校校長の報告書あり
※2021年度は面接中止
合格者平均点・受験者平均点
各種平均点や合格者最低点の開示なし
受験者数/合格者数
- 募集者数:240人
- 応募者数:723人
- 受験者数:664人
- 合格者数:274人
実質倍率
- 倍率:2.4倍
問題別難易度分析
【難易度説明】
A:女子学院中学合格のために正答したい問題
B:合否を分ける差がつく問題
C:発展問題(間違えても差がつかない)
問題別攻略のポイント
大問1(1) 計算問題(四則演算)
問題数:1
難易度:A
例年通り、標準的な計算問題です。小数⇔分数の変換や、計算順序の判断など素早く、かつミスなく行えていたか確認しておきましょう。
大問1(2) 計算問題&割合と比
問題数:1
難易度:A
左辺(=の左側にある式)を計算すると、分母と分子の差が3になります。右辺は分母と分子の差が33ですので、11倍してそろえましょう。
大問1(3) 平面図形(角度)
問題数:3
難易度:A,A,A
正多角形やおうぎ形を組み合わせた、女子学院中学で頻出の角度問題です。例年の角度問題に比べ、難易度は低く、3問ともしっかり正答しておく必要があります。
分かる情報(辺の長さが等しい部分、角度など)を使いながら、解き進めていきましょう。
大問1(4) 売買損益
問題数:1
難易度:A
基本的な売買損益の問題です。原価を①円として、A店/B店の売り値を表し、差を比べましょう。
こちらの問題は過去問解説記事に載せていますので、間違えた子は確認してみてください。
大問1(5) 規則性
問題数:3
難易度:A,A,B
条件1から、条件2からと指示をくれていますので、誘導に沿って、はじめは条件1のみ見ましょう。白石2個、黒石2個で1周期4個と分かりますので、最後に置いた黒石1個が、周期の3個目なのか、4個目なのかで答えが2つ出ます。
2つ目も白石1個、黒石2個で1周期3個と分かりますので、白石・黒石の個数をそれぞれ式で表し、比べてみましょう。
大問1(6) 平面図形(面積)
問題数:1
難易度:B
ADに補助線を入れ、ブロック分けして解く問題でした。大問1の小問ですが、2021年度の問題の中では、解法に気付きにくい問題かと思います。
もしスムーズに解ければ、他受験生に差がつけられた問題となりますが、相似や、内項の積=外項の積などにこだわってしまい、必要以上に時間を掛けてしまった受験生もそれなりにいそうです。
大問2 数の性質
問題数:1
難易度:A
基本的な数の性質の問題です。
今回の問題は「和が384」であり、「積が384」ではありません。答えに影響する点を意識的に確認し、正答出来ていたか確認しておきましょう。
大問3 ニュートン算
問題数:2
難易度:B,B
設定を少しひねったニュートン算になります。塾の通常テキストに載っている問題とは少し異なりますが、落ち着いて式を立てれば、はじめの量や、ケーキが追加される速さが分かるので、その後はいつも通りです。
2つ目は、途中で人数を変更した典型的なつるかめ算ですね。1つ目を正答出来れば、2つ目も問題なく正答できるでしょう。
大問4 立体図形,平面図形
問題数:3
難易度:A,A,A
(1)は、ただの円柱の側面積で確実に取らなければならない問題ですので、つまらないミスを防ぐためにも一つ一つの数値をていねいに確認し、計算しましょう。
(2)①は、正十二角形の面積です。正十二角形の面積で、十二分割してから正三角形を作って面積を求めるのは典型問題の1つですので、特に問題ないでしょう。
(2)②は、容器Aの容積を求めてから、容器Bの底面積で割るだけです。2つ目が出来ているのならば、ただの計算問題ですので、ここも確実に取らなければならない問題です。
大問5 場合の数
問題数:1
難易度:B
難易度的にはAにしても良かったのですが、「3組の向かい合う面の数の和がすべて異なる(かつ7にならない)」という条件のもと、抜け漏れなく数え上げ、完答するという作業においては多少差が出ると思いますので、A寄りのBにしています。
大問6 速さ
問題数:5
難易度:A,A,A,A,B
(1)は、「兄は1往復するごとに10秒間休む」「兄の方が妹よりも速い」など問題文から正しく情報を読み取れば、容易でしょう。
(2)は、「妹が16m泳いだら兄と初めてすれ違った」より、同じ時間で兄が24m、妹が16m進んでいるので、速さの比が分かります。また、「兄が5往復(200m進み、40秒休む)したとき、妹が4往復(160m)」より、兄は160×1.5-200=40mを40秒(秒速1m)で進むことが分かります。
兄は20mを20秒で進むので、妹は20×1.5=30秒で進みます。
(3)は、(1)にダイヤグラムがあるので、そのまま使いましょう。
2回目にすれ違っている所に〇を付け、① ダイヤグラム上の相似を使うか、② 兄が1往復して10秒休み、再出発する50秒まで時間を進めて、出会い算で解くか、いずれでも良いと思います。
(4)は、片道20秒で1往復する毎に10秒休む兄と、片道30秒で進み続ける妹の出発時間を表にしてみると、120秒になったとき、2人はプールの右端と左端にいることが分かります。また、240秒になったとき、2人ともプールの右端にいることが分かります。120秒を境に左右対称の動きをしていますので、240秒から巻き戻して2回目にすれちがっている時が答えとなる時間です。
Kの考察
40分で20問以上の問題数、例年通りスピードを求められる入試問題でした。
気になる問題の難易度は、各問題の難易度分析では、必ず正答したいA問題が16問(73%)、差がつくB問題が6問(27%)、合否に影響のないC問題は0問(0%)となり、過去年度と比較しても問題の難易度は優しめでした。
A問題は5年生でも解けるレベルも多く出題されていますので、ミスなくしっかりと得点を取りましょう。A問題を0~2問落とし程度に止め、B問題を出来る限り取るという基本戦略を実行できたかが合否の分かれ目となったでしょう。
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