次の□にあてはまる数をそれぞれ求めなさい。
一日に80分遅れる時計Aと一日に48分進む時計Bがあり、正午にこの2つの時計を正確な時刻に合わせました。この日、時計Aが午後4時15分を示すとき、正しい時刻は午後□時□分で、時計Bは午後□時□分を示します。
浅野中学(2019年)
神奈川男子御三家の浅野中学よりくるった時計の問題です。典型問題のひとつですが、たまに出てくると解けない子も多い問題です。ぜひトライしてみてください。
過去問解説記事の使い方は以下をご参照ください。
難度
Lv.2 中学受験 標準問題
全受験生にオススメの中学受験算数の標準問題をまとめています。シンプルな問題設定が多いため、算数の各単元のポイント整理にも有効です。本レベルの演習を通じて、受験算数の基礎固めを行いましょう。
※偏差値の目安やその他難度の詳細などはコチラをご覧ください。
解説
正しい時計と時計Bの時刻は?
「くるった時計」と呼ばれる問題です。くるった時計の問題は、正しい時計とくるった時計の速さの比を求めましょう。今回は、くるった時計Aを基準に、正しい時計およびくるった時計Bが示す時刻を求めるので、くるった時計A:正しい時計、くるった時計A:くるった時計Bの速さの比を出しましょう。
- 正しい時計:一日に1440分進む
- 時計A:一日に80分遅れる(1360分進む)
- 時計B:一日に48分進む(1488分進む)
一日(正しい時計の24時間)にそれぞれの時計が何分進んだかを比べ、くるった時計A:正しい時計は、1440-80:1440=1360:1440=17:18、くるった時計A:くるった時計Bは、1440-80:1440+48=1360:1488=85:93になります。
時計Aを1440+80=1520、時計Bを1440-48=1392としてしまう子がたまにいるね。以下を確認してから解き進めましょう。
「遅れる」⇒その分、進んでいないので遅い
「進む」⇒その分、進んでいるので速い
正午から午後4時15分までは4時間15分(255分)ですが、この時間は時計Aを基準としていることに注意です。時計Aと正しい時計の速さの比は17:18であるため、時計Aが255分進む間に、正しい時計は255×\(\large{\frac{18}{17}}\)=270分、つまり4時間30分進むことになります。
よって、正しい時刻は午後4時30分です。
また、時計Aと時計Bの速さの比は85:93なので同様に解き進めます。
時計Aが255分進む間に正しい時計は255×\(\large{\frac{93}{85}}\)=279分、つまり4時間39分進むことになります。
よって、時計Bが示す時刻は午後4時39分です。
Kとピヨまるの談話室
中学受験の算数は、くるった時計も問題にしてしまうのですね、いやはや恐ろしいものですよ。
そもそも時計ってなぜ時間がズレるのでしょうか?そろえたと思ったらまたしばらく経つとズレているし。時計メーカーが精密に作っていないという事では?!
ぷんぷん!
おっ、ぷんぷんしてるね~。
時計の遅れや進み具合をその時計の精度というけど、精度は温度や重力の影響も受けるようだよ。また、精度は月差(月に何秒ズレるか)や年差(年間で何秒ズレるか)などで表される。
一般的なデジタル時計だと月差±20秒ほどらしいよ。仮に毎月20秒進むなら年間で240秒進むから最大で4分もズレる可能性があるね。チリも積もれば山となる。
あとは単純に電池の消耗などの原因もある。
そうなんですね!むしろ、時計メーカーの不断の努力でこの程度の誤差で済んでいると!では、ぷんぷんした僕のこの気持ちはどこにぶつければいいんですか!!
知らんがな。
こちらの記事もオススメ☆
・浅野中学の算数分析/過去問解説はコチラ
・過去問解説記事の一覧はコチラ
・時計算の過去問解説はコチラ
・中学受験標準問題(★★☆☆☆)の一覧はコチラ