11で割ると7余り,31で割ると11余る整数の中で,1950にもっとも近い整数はいくつになりますか。
豊島岡女子学園中学(2019年)
豊島岡女子学園中学より、数の性質の問題です。豊島岡以外のどの学校でも出題される可能性のある頻出問題ですので、正確に、かつスピーディーに解けるか確認しておきましょう!
解説
・11で割ると7余り,31で割ると11余る整数の1つ目は?
商と余りの問題です。どの塾に通っていても以下のような問題を解いた記憶があると思います。
「4で割ると1余り、5で割ると3余る整数の中で最も小さい整数はいくつですか?」
「5で割ると2余り、6で割ると3余る整数のうち、100に最も近い整数はいくつですか?」などなど。
商と余りは、どの出題パターンなのかを判断しましょう。
パターンは以下の3つに分けられます。
- 「余り」が同じパターン
- 「差」が同じパターン
- 「それ以外」のパターン
今回は「11で割ると7余り,31で割ると11余る整数」ですので、以下の表のように、余りと差はどちらも異なっています。
よって、③の「それ以外」のパターンで解き進めていくこととなります。
それ以外のパターンのときは、条件にあてはまる整数の1個目を地道に見つけ出します。キーワードは「1個目地道!」
探し方は色々とありますが、今回は「11で割ると7余る整数」「31で割ると11余る整数」をそれぞれ書いて、同じ整数を見つけてみましょう。

以上より、「11で割ると7余り,31で割ると11余る整数の1個目」は73であることが分かりますね。
今回は「11で割ると7余る整数」「31で割ると11余る整数」をそれぞれ書いて探しましたが、探し方はその他にも色々とあります。
例えば、割る数が大きい「31で割ると11余る整数」を11,42,…と初めに考え、その整数が11で割ると7余るのかを確かめていきます。すると、73が73÷11=6…7で当てはまることが分かります。
・条件に当てはまり、1950に最も近い整数は?
さて、本問題は1個目を答えるのではなく、1950に最も近い整数を答える必要がありますね。次はそちらを考えてみましょう!
11で割ると7余り,31で割ると11余る整数の1個目は73であり、2個目以降は11と31の最小公倍数である341ずつ増えていきます。
例えば、4個目は73+341×3=1096になります。
1950に最も近い整数を答える上でも同様に考えると、73+341×●の計算結果が1950に最も近い整数となるときが答えであることが分かります。
1950-73=1877
1877÷341=5…172 なので、
●=5のときと●=6のときを考えます。
73+341×5=1778(1950との差は172)
73+341×6=2119(1950との差は169)
※差172は341÷2=170.5より大きいので●=5のときは答えではないと考えることもできます。
2119の方が1950との差が小さいので、2119が答えとなります。
今回、求められているのは「1950に最も近い整数」。当然、答えは1950より大きくても問題ないが、焦って、答えは1950以下として勘違いしてしまうのがよくあるミスパターン。商と余りが出題されたら、必ず確認する項目として頭の片隅に入れておこう。
A.2119
Kの考察
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K今回は商と余りの入試問題でした。どの塾に通っていても、何度も取り組むこととなる典型題の1つですね。余りも差も等しくない場合の解き方を忘れてしまっていた子は「次回出題されたら、自分はどの部分を確認して、どう解き進めていけば正答できるのか?」という視点で解説を熟読してみてください!
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