次の①~⑩にあてはまる数を求めなさい。
4つの異なる整数を小さい方から順にA,B,C,Dとします。
A+B=①
A+C=②
A+D=③
B+C=④
B+D=⑤
C+D=⑥とすると,①~⑥は11,13,16,19,21のいずれかになりました。
このとき,
城北中学(2018年)
A=⑦
B=⑧
C=⑨
D=⑩
です。
男子名門校の城北中学より和差算の問題です。ぜひトライしてみてください。和差算の典型題の1つですので、解法のポイントを含め、学んでおきましょう。過去問解説記事の使い方を読んだ上で、算数の志望校対策や、得点力アップ、弱点補強にご活用ください。
難度
Lv.1 中学受験 基本問題
各単元の基本問題。1から基本ポイントの確認や弱点補強をしたい受験生や、5~6年生の通常カリキュラムの復習にオススメです。4年生も既習単元の問題は積極的にチャレンジしてみてください。
※偏差値の目安やその他難度の詳細などはコチラをご覧ください。
解説
2つの整数の和の大小関係は?
A+B=①
A+C=②
A+D=③
B+C=④
B+D=⑤
C+D=⑥
問題文から読み取れる情報は他にも以下の3つがあるね。
- A,B,C,Dは4つの異なる整数
- 小さい方から順にA,B,C,D
- ①~⑥は11,13,16,19,21のいずれか
これらが本問題の情報です。
まず、①(A+B),②(A+C),③(A+D)を比べると、Aが共通していると共に、A以外は小さい方から順にB,C,Dと並んでいるので、①,②,③の大きさは、小さい方から順に①,②,③であることが分かります。
次に、④(B+C),⑤(B+D),⑥(C+D)をそれぞれ比べると、④(B+C)と⑤(B+D)はDの方がCよりも大きいので⑤の方が大きいこと、⑤(B+D)と⑥(C+D)はCの方がBよりも大きいので⑥の方が大きいことが分かります。つまり、④,⑤,⑥の大きさは、小さい方から順に④,⑤,⑥となります。
では、境目である③(A+D)と④(B+C)はどちらが大きいか?ですが、「AとBを比べるとBの方が大きい」「DとCを比べるとDの方が大きい」ので、A+DとB+Cはどちらが大きいかは確定しません。
つまり、③が④よりも大きい場合もありますし、④が③よりも大きくなることもあります。
最後に3つ目の情報「①~⑥は11,13,16,19,21のいずれかである」を考えてみます。
①~⑥は6つあるにも関わらず、計算結果は5つしかないので、①から⑥までのどれか2つは同じ整数であることが分かります。①②③、④⑤⑥には明確な大小関係(どちらが大きくて、どちらが小さいか)があるので、同じ整数になることが出来るのは境目の③(A+D)と④(B+C)のみです。
よって、③と④は16と分かります。あとは小さい方から順に①、②、③、小さい方から順に④、⑤、⑥と分かっていますので、答えは①=11、②=13、③=16、④=16、⑤=19、⑥=21となります。
A+B=11
A+C=13
A+D=16
B+C=16
B+D=19
C+D=21
さて、それぞれの計算結果が分かったので、比べると何が言えるか?を考えましょう。
承知しました!!
例えば、A+B=11とA+C=13を比べると、AとAは差がないので、BとCの差が11と13の差が同じということが分かり、CはBより2大きいとなりますね。また、B+C=16に着目するとBとCの差は2であり、和は16です。よって、小さい方のBは(16-2)÷2=7、大きい方のCは(16+2)÷2=9になります。
あとは当てはめて計算しましょう。
・A+B=11より、A=11-7=4
・B+D=19より、D=19-7=12
足し算・引き算間違いをチェックするため、使っていない式の計算結果が一致するかも確認しておきましょう。
使っていない式は、例えばA+D=16やC+D=21です。4+12=16、9+12=21なので、一致していますね。
今回は計算ミスをしていないかのチェックを数秒で出来る問題なので、そのような場合は率先してチェックしましょう。
よって、⑦から⑩までの答えは、⑦=4、⑧=7、⑨=9、⑩=12です。
Kとピヨまるの談話室
中学受験算数(和差算)の典型題のひとつですね。
「A+D」と「B+C」の大小関係(どちらが大きいか小さいか)が不明なので、その点がよく問われます。
「また出てきやがったな!」と思ってほしい問題です。
御意。
僕は計算ゴリゴリして当てはめで解きましたが、解法のポイントを押さえていないので、今回この問題が解けて正解だったとしても、今後このポイントを使う他の問題が出てきた時に困るよってことですかね?
察しが良いね。
ゴリゴリ計算して答えまで出すというのも入試で点を取るという観点では重要だよ。だけど、いまは学習段階だから、ただ単に答えが〇だったか×だったかではなく、「この問題の解法のポイントはどこなのか?」と自分から探る意識を持って、日々の学習や塾の授業に臨みましょう。
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