芝中学の算数分析と対策(2020年第1回)

傾向と対策(芝中学2020年第1回)

男子難関校の芝中学の算数分析記事です。今回の過去問分析対象は「2020年第1回入試」になります。芝中学算数の傾向と対策方法を知り、合格に向けて是非ご活用ください。

本記事の使い方

受験生のパパママ
受験する学校の情報集めや算数分析の一助に
志望校の傾向を把握すると共に、お子さんの得意分野・苦手分野の洗い出しなど学習サポートにもご活用ください

【受験生本人】
過去問を解いた後の復習に活用しましょう
各問題の難易度と自分の〇×を見比べながら、解けた問題は自信に変え、解けなかった問題は徹底復習してください合格との距離をイメージし、今後どんな勉強をしていけばいいのかを考え、実行しよう

目次

芝中学 2020年入試結果

配点・試験時間

  • 国語 100点(50分)
  • 算数 100点(50分)
  • 社会 75点(40分)
  • 理科 75点(40分)

合格者平均点・受験者平均点

  • 受験者平均点:54.2点
  • 合格者平均点:67.1点
芝中学2020年得点推移表

受験者数・合格者数

  • 募集者数:150人
  • 応募者数:488人
  • 受験者数:432人
  • 合格者数:188人
芝中学2020年受験者数推移表

実質倍率

  • 倍率:2.3倍
芝中学2020年倍率

問題別難易度分析

【難易度説明】
A:芝中学合格のために正答したい問題
B:合否を分ける差がつく問題
C:発展問題(間違えても差がつかない)

算数分析表(芝中学2020年第1回)

問題別攻略のポイント

大問1 計算問題

問題数:2
難易度:AA

(1) 四則演算

例年通り、標準的な計算問題です。1.375や0.125など小数を一発で分数に変換出来ていたか確認しておきましょう。この点も例年通りですね。

(2) 還元算

こちらも標準的な計算問題です。+-×÷や()など計算ルールに則り、ていねいに計算を進めていきましょう。西暦の2020が使用されているため、受験生は自分の受験する年の素因数分解の結果は頭に入れておいてください。
今回の問題は2020=2×2×5×101を暗記していなくても影響はありませんでしたが、念のため。

大問2 数の性質

問題数:2
難易度:AA

標準レベルの数の性質(商と余り)の問題です。
(1)は割る数と余りの差が等しいパターンですので、求める形は「3と7の公倍数ー2」となります。(2)は(1)で求めた「3と7の公倍数ー2」と「5で割ると1余る整数」の両方に当てはまる1つ目の整数を見つけてから、3けたで一番大きい数を求めましょう。

大問3 和差算

問題数:1
難易度:B

5種類のアイスクリームの中から、4種類のアイスクリームを選び、金額を考える和差算です。
塾のテキストには「4つの数から2つ選んで足した結果が、大きい順に・・」という問題が掲載されていると思いますが、そちらのやや応用問題になります。

結局やることは塾テキストの問題と同じで、値段が高い順にアイスクリームにA,B,C,D,Eと名前を付け、
A+B+C+D=1000
A+B+C+E=960
A+B+D+E=830
A+C+D+E=750
B+C+D+E=680
の5つの式を作り、アイスクリーム1つあたりの値段を考えていきます。求め方は色々とありますね。

大問4 周期算

問題数:1
難易度:A

3で割ると2余る数が問題文に載っているので、その数を5で割ったときの余りを書き進めていきます。
すると、2,0,3,1,4,2,0,3,…と、2→0→3→1→4の5個周期となりますので、あとはそちらを使うだけですね。
周期算は芝中学では頻出単元なので、しっかり対策しておきましょう。

大問5 立体図形

問題数:1
難易度:B

立体図形の体積と場合の数を組み合わせた問題です。此方も塾のテキストではあまり載っていないタイプで、差がつく問題といえるでしょう。
高さの平均を用いて、体積を出すことができる点に気付き、活用できるかが解法のポイントになります。

大問6 売買損益

問題数:2
難易度:BB

売れ残りがある売買損益の問題です。売れた商品も売れ残りがあった商品もすでに仕入は行っているので、全体の利益の差=全体の売上の差となる点がポイントです。
売買損益の頻出パターンではありますが、以上のポイントを理解しているか否かで差がつく問題です。出来なかった子は良い機会と思い、マスターしておきましょう。

大問7 平面図形(面積)

問題数:2
難易度:AB

平面図形の面積比の問題です。
(1)は、全体の三角形ABCと三角形ADGの底辺、ナナメの辺の長さをそれぞれ比べ、面積比を出すだけですので、必ず正解したい問題です。
(2)は、求め方はさまざまありますが、まずは、四角形DECFを分割して面積比を出すのか、あるいはどこかからどこかを引いて四角形DECFの面積比を出すのかという方針を立ててから、必要な部分の辺の長さの比、面積比を出していきましょう。

大問8 仕事算

問題数:2
難易度:AA

(1)(2)共に仕事算の基本問題であり、必ず正解したい問題です。
給水管A,B,Cの1分あたりの仕事量全体の仕事量を求めてから、ていねいに計算していけば出来るでしょう。取らなくてはならない問題なので、検算してから次に進むのもオススメします。

大問9 平面図形(面積)

問題数:2
難易度:AB

工夫が必要な円の面積の問題です。
(1)はイ,エ,ケの場所を間違えず、長さの情報を図に書き込んでいけば、三角形イエケの面積をどう求めるかは気づくでしょう。
(2)は半径をそのまま出すのは難しいな(というか無理だな)という所がスタートラインで、「ではどうするか」となるわけですが、(1)からの誘導が使えますね。半径は分からないけど、半径×半径は分かるよね問題です。
大問を解く際は、必ず(1)→(2)→(3)のつながりを意識しておきましょう。

大問10 速さ

問題数:3
難易度:AAB

最後の問題かつ、問題文が芝中学の中では長めで、時間が足りなかった子もいるでしょうが、難易度は標準です。
A駅→S駅、S駅→B駅、A駅→B駅までの実際の距離や、特急と急行の各駅間の所要時間を出せますので、距離と時間の分かっている特急の速さは容易に求めることが出来ます。
3つ目の問題も問題文の条件を読み解くだけで出来ますので、時間内に終わったのであれば正答したい問題です。

Kの考察

2020年度入試は問題数は多いものの、問題の傾向や形式に大きな変化はありませんでした。
例年通り、計算問題より始まり、塾の演習で何度か見たことあるであろう典型題が数問出題され、最後の方にやや難易度の高い問題が配置されるという問題構成になっています。

50分で小問数18。各問題の難易度分析では必ず正答したいA問題が11問(61%)、差がつくB問題が7問(39%)、合否に影響のないC問題は0問(0%)となりました。

合格者平均点は67.1点。合格者平均点を取る目安としては、A問題を1~2問落としで9~10問、B問題を7問中3問程度という所でしょうか。例年通りではありますが、計算問題、典型題などのA問題は正答するだけではなくスピードも意識してください。後半の問題に時間を残すことが合格に近づく道です。そのために、日々の自宅学習でも1問あたりの時間を把握しながら進めていくことが大事でしょう。

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